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よくあるご質問

Q.相続人のうちの1人である兄が、母の生前から母名義の土地の上に家を建てて住んでいます。これまでずっと地代も払わずに住んでいるのですが、特別受益を受け取ったことにはならないのでしょうか。 兄が母と同居しているかどうかで、違いはありますか。

A

親(被相続人)名義の土地上に、子(相続人)の1人が建物を建てているというのは、よく見られる事例です。

他の子(他の相続人)からすれば、地代も払わずに自宅を建てて住むことができているのだから、特別受益を受け取っているように思えるでしょう。もっとも、地代相当額が特別受益となるわけではありません。

設問の事案であれば、法律上は、母が死去した時点を基準に、兄が住んでいることにより母の財産がどのくらい価値が下がっていることになるのかという観点から検討することになります。

今回のような土地の無償使用では、通常、土地の名義人である母と建物を建てる兄との間で使用貸借契約があると認められます。この兄の使用借権は、相続人以外の第三者には対抗できない(主張しても権利を確保できない)のですが、事実上換価されにくくなるため占有を継続することができますし、他の相続人に対しては権利を主張することができます。

つまり、兄の使用借権がある場合には、更地として売却等処分する場合に比べて価値が低くなっていることになります。このため、事情により、更地価額の1割から3割くらいの間で、兄の特別受益が認められる可能性があります。

 

もっとも、設問の後段について、兄が建てた建物に名義人である母が同居している場合には、兄が母と同居するために建物を建てたという貢献をしており、その貢献(寄与)に報いるために無償で土地を使用させたと認められ、特別受益に含めないようにする合理的な事情がある(≒特別受益の持戻しについて黙示の意思表示がある)とされる可能性が高くなります。

 

別のケースで、例えば兄自身が経営する店舗の経営のために土地を無償で使用させていたような場合には、使用借権について特別受益が認められる可能性があるでしょう。ただし、兄が経営する店舗が家業として父や母から引き継いだものであれば、特別受益に含めないようにするとの結論もありえます。

特別受益となるかどうかは、個別の具体的な事情によって判断が異なりますので、お悩みの際には弁護士法人アステル法律事務所へご相談ください。→こちら

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