相続が発生したとき
遺産にまつわるお悩み
Q
.相続財産に空き家があるとき気をつけることはありますか?
A
1 空き家をめぐる全国及び熊本の動向
平成27年に空き家等対策の推進に関する特別措置法が施行され、各自治体において、空き家の実態把握や活用の促進等が図られてきました。
熊本では、平成28年熊本地震の影響を受け、地震による損傷を受けた空き家が公費解体されたり、流通していた空き家が住宅再建までの仮住まいとして利用されたりして、空き家等をめぐる状況が大きく変動しました。
今後は、公費解体されないまま残ってしまった(状態が悪化した)空き家や、住宅再建により再び空き家となってしまった家屋等について、どのような施策が行われるのか注目されます。
2 空き家を相続するリスク
近年は、子や孫などの相続人が都市部に居住しており、田舎の土地や家屋を相続しても、実際に住む人はおらず、売るにもそう簡単には売れない…などといった事例が増えているように思います。
そのようなときに、「使わないけど、とりあえず相続。」というのは、リスクがあります。
相続した預貯金等他の資産があっても、それを使い切ってしまうほど維持管理にコストがかかることがあるのです。
他方、空き家を長年維持管理せずにいると、自治体から「特定空き家等」に指定され、固定資産税等の特例措置(住宅用地特例)が解除され、税負担が大幅に増額するおそれがあります。
また、「そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態」に至ったと判断される場合には、市町村長から除却等の指導、勧告、命令等を受け、それらに従わない場合には、市町村長の代執行による除却(解体)等が行われ、その費用等を徴収されるおそれも出てきます。
3 「負」動産の相続にならないために
不動産は、「負」動産とも表現されるようになってきました。
不動産の相続がある場合には、財産を遺されるご本人においては、生前にご家族にとってどのような遺し方が良いのかをお考えいただく必要があるでしょう。そして、相続するご家族の方々においては、その不動産の将来的な活用の有無だけではなく、相続人として負うことになる責任にも目を配って、遺産分割等を行っていただきたいと思います。
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